ビアスチルとダブラーとは|二段蒸溜とポットスチルとの違い

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最終更新 2026-09-28

目次
  1. ビアスチルとは
  2. ダブラーとサンパー
  3. ポットスチルとの違い
  4. 収録データでの言及件数
  5. 連続式に言及している蒸溜所の内訳
  6. 二段構成が読み取れる銘柄
  7. ポットスチルを製品名に掲げる銘柄
  8. 関連ページ

アメリカンウイスキーの製造では、蒸溜を2つの装置で分担するのが一般的です。発酵を終えたもろみを最初に蒸溜する連続式の装置がビアスチル、その留液をもう一度蒸溜する単式の装置がダブラー、またはサンパーです。

ビアスチルとは

発酵を終えたもろみは、アルコールを含んだビールに近い液体になっているため、英語で「ディスティラーズ・ビール」と呼ばれます。これを最初に蒸溜する装置がビアスチルで、円筒形の連続式蒸溜機(カラムスチル)です。

もろみを塔の上部から流し込み、下部から吹き上げる蒸気と向かい合わせにすると、アルコールと香気成分が上へ、固形分を含んだ液が下へ分かれます。もろみを送り続けるかぎり連続して留液が出てくるのが、バッチ式との違いです。ここから出た留液は「ローワイン」と呼ばれ、まだ樽詰めする度数・純度には達していません。

ダブラーとサンパー

ローワインをもう一度蒸溜して度数と純度を上げるのが、2段目にあたる単式の装置です。

装置形式受け取るもの
ダブラー単式(ポット型)ビアスチルの留液(液体)
サンパー単式(ポット型)ビアスチルから来た蒸気

ダブラーはローワインを液体のまま受け取って加熱します。サンパーは蒸気を器の中に張った液の底にくぐらせる方式で、そのときの音から thumper と呼ばれるとされます。留液をいったん冷やして受ける工程を挟まない点が違いです。

二段を通したあとの度数は、バーボンであれば蒸溜時に160プルーフ(80%)以下という上限の範囲に収まります。度数表記の読み方はプルーフとはにまとめています。

ポットスチルとの違い

ポットスチルは、釜に仕込んだ分だけを一回ずつ蒸溜するバッチ式の単式蒸溜器です。違いは、1段目に連続式を置くかどうかです。

型1段目2段目
ケンタッキー型ビアスチル(連続式)ダブラー/サンパー(単式)
ポットスチル型ポットスチル(単式)ポットスチル(単式)

収録データでの言及件数

当サイトの収録データのうち、蒸溜所の解説文・備考を対象に、装置名の登場を数えました。表記のゆれ(ポット・スティル/ポットスチル/ポットスティル/単式蒸溜/pot still など、連続式は連続式/カラム/コラム/column/continuous)は同じ語として数えています。

言及されている装置蒸溜所数
ポットスチル(単式蒸溜器)121件
連続式・カラムスチル系12件
ハイブリッドスチル7件
サンパー1件
ダブラー0件

ポットスチルへの言及が121件と多いのは、収録している蒸溜所の多くがクラフト規模で、設備そのものを製法の特徴として語っているためです。「銅製」を含む解説は96件、「2回蒸溜」系の表記は29件、「3回蒸溜」系は8件でした。ウッドフォードリザーブ(ケンタッキー州)は銅製ポットスチル3基での3回蒸溜と記載されています。

ダブラーは0件です。ケンタッキーの大規模生産で使われる装置ですが、収録している解説文は2段目の器を名前で呼びません。「ビアスチル」という語も0件で、1段目は「連続式」と総称されています。サンパーの言及はテキサスレガシー(テキサス州)の1件のみで、製品側でもテキサス・ゴールド・バーボンの1本だけです。

連続式に言及している蒸溜所の内訳

読み分けると、多くは自社設備として連続式を持つという記述です。

「連続式」は、使っていないことの説明よりも自社設備の説明として現れるほうが多い語です。ただしポットスチルの121件とは桁が違い、設備を製法の看板に掲げるのは単式の釜のほうだという傾向は読み取れます。

二段構成が読み取れる銘柄

製品の解説文では、ポットスチル系の語に言及する製品が241本(137蒸溜所)、連続式・カラム系が24本(19蒸溜所)です。1段目と2段目の組み合わせまで書かれているものを挙げます。

1段目と2段目を別の蒸溜所に分け、あとでブレンドする書き方もあります。アイアンルート・リパブリック アサンブラージュ バーボンは自社のポットスチル原酒にコラムスチル産の原酒を合わせています。

ポットスチルを製品名に掲げる銘柄

製品名に「Pot Still」を含む製品は13本あり、装置の名前がそのまま銘柄の看板になっています。

種別欄が「American Single Pot Still Whiskey」の製品は4本あり、すべてタルヌア(コロラド州)のものです。モルテッド大麦とアンモルテッド大麦を銅製ポットスチルで蒸溜する、アイルランドの伝統製法を採る蒸溜所です。

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この記事に出てくる銘柄

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よくある質問

ビアスチルとポットスチルはどう違いますか。
ビアスチルは発酵もろみを連続的に蒸溜する連続式(カラムスチル)、ポットスチルは釜に仕込んだ分を一回ずつ蒸溜するバッチ式の単式蒸溜器です。ケンタッキー型の生産は1段目にビアスチル、2段目に単式のダブラーまたはサンパーを置きます。
ダブラーとサンパーの違いは何ですか。
受け取るものが違います。ダブラーはビアスチルの留液(ローワイン)を液体のまま受け取って蒸溜し、サンパーはビアスチルから来た蒸気を器の中に張った液にくぐらせます。そのときの音から thumper と呼ばれるとされます。
収録データにダブラーの記載はありますか。
収録している蒸溜所・製品の解説文では0件でした。サンパーは蒸溜所1件(テキサスレガシー)・製品1本のみです。一方でポットスチル系の語は蒸溜所121件・製品241本、連続式・カラム系の語は蒸溜所12件・製品24本に登場します。
ポットスチルだけで造るアメリカの蒸溜所はありますか。
あります。収録データでは製品名に「Pot Still」を含む製品が13本あり、種別欄が「American Single Pot Still Whiskey」の4本はすべてコロラド州のタルヌアのものです。プリザベーション(ケンタッキー州)は連続式を使わず銅製ポットスチルのみと記載されています。

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