ハイライバーボンとは|法的な定義がない呼び名とライ麦の比率
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ハイライバーボンとは、バーボンの要件を満たしたうえで、副原料のライ麦をふだんより多く配合したマッシュビルの通称です。法律にもラベル規格にも「ライ麦何%以上」という下限はなく、蒸溜所と愛好家のあいだで使われる慣習的な呼び名にあたります。
どこが「ハイ」なのか
バーボンの法定要件は、原料に占めるトウモロコシが51%以上であること、内側を焦がした新しいオーク樽で熟成させること、米国内で造られることです。残る49%に何を使うかは決められていません。種別ごとの要件はマッシュビル(原料構成)とはに早見表があります。
この49%の使い方で呼び分けが生まれます。ライ麦を多めに取ったものがハイライ、小麦に置き換えたものがウィーテッドバーボンです。いずれも規格上の区分はバーボンのままで、ラベルの表示も「Kentucky Straight Bourbon Whiskey」などバーボンとしての表記になります。
ラベルにハイライとある銘柄
下限がないことをデータで確かめる
当サイト収録製品のうち、種別欄に High Rye という表記を持つ製品は0件です。ハイライは種別ではないので、種別欄には現れず、製品名や備考欄の中に現れるだけです。
では実際の比率はどうなっているか。バーボン区分の製品の解説文には、トウモロコシ(51%以上)とライ麦の比率がともに書かれたものがあり、そのライ麦比率は10%未満から40%以上まで散らばっています。仮に「20%以上をハイライと呼ぶ」とするか「30%以上」とするかで、該当する製品の数は大きく変わります。ひとつの語がこれだけ違う範囲を指しうるというのが、下限がないという事実の具体的な姿です。
ハイライ・ウィーテッド・ライウイスキーの違い
三者はしばしば並べて語られますが、規格上の立ち位置が違います。
| ハイライバーボン | ウィーテッドバーボン | ライウイスキー | |
|---|---|---|---|
| 主原料 | トウモロコシ51%以上 | トウモロコシ51%以上 | ライ麦51%以上 |
| 風味を担う穀物 | ライ麦(比率を高めたもの) | 小麦 | ライ麦(主原料そのもの) |
| 規格上の区分 | バーボン | バーボン | ライウイスキー |
| 法定の下限 | なし(慣習的な呼称) | なし(慣習的な呼称) | ライ麦51%以上 |
| 当サイトの収録数 | 製品名に High Rye が28件 | 種別が Wheated Bourbon で29件 | 498件 |
ハイライとウィーテッドは同じバーボンの中での副原料の違いにすぎません。一方ライウイスキーは主原料そのものが入れ替わった別の種別です。バーボンとライウイスキーの比較はバーボンとライウイスキーの違いで扱っています。
明記されたマッシュビル
製品名に High Rye を掲げる28製品のうち、解説文にトウモロコシとライ麦の比率が明記されているものを、蒸溜所と比率の組でまとめると次のとおりです。ライ麦比率は20〜40%の範囲にあります。
| 蒸溜所 | トウモロコシ | ライ麦 |
|---|---|---|
| ジャーニーマン | 60% | 40% |
| モンゴメリー | 51% | 39% |
| ケンタッキーアーティザン | 60% | 36% |
| リデンプションウイスキー | 60% | 36% |
| ターニッシュドトゥルースディスティリング | 60% | 36% |
| オーシャンサイド | 60% | 36% |
| マインヒル | 60% | 33% |
| ウィルダネストレイル | 64% | 24% |
| ブルーグラスディスティラーズ | 75% | 21% |
| バロック | 75% | 21% |
| サザンケンタッキー | 69% | 21% |
| ニーリーファミリー | 70% | 20% |
| ブラザーズライトディスティリングカンパニー | 70% | 20% |
上端の40%と下端の20%では倍の開きがあります。しかもハイライと名乗らないバーボンの解説文にも、20%前後のライ麦比率が書かれたものは珍しくありません。名乗るかどうかは蒸溜所の判断です。
製品名に High Rye を掲げる銘柄
製品名に High Rye を掲げる28製品は25蒸溜所・16州にまたがります。
- ケンタッキー州(11製品・9蒸溜所) — ウィルダネストレイル2製品/サザンケンタッキー2製品/ケンタッキーピアレスディスティリング/ブルーランスピリッツ/ブルーグラスディスティラーズ/ニーリーファミリー/ケンタッキーアーティザン/リデンプションウイスキー/ブラザーズライトディスティリングカンパニー
- インディアナ州(3製品・2蒸溜所) — ウェストフォークウイスキーカンパニー2製品/エドウィンコースピリッツ
- 1製品の州(14州) — サザンディスティリングカンパニー(ノースカロライナ)/スプリングブルックホロウファーム(ニューヨーク)/トゥームストーン(アリゾナ)/レッドウッドエンパイアウイスキー(カリフォルニア)/ジャーニーマン(ミシガン)/スティルオースティンウイスキーカンパニー(テキサス)/ターニッシュドトゥルースディスティリング(バージニア)/マインヒル(コネチカット)/バロック(ウェストバージニア)/カリキンスピリッツ(オハイオ)/セブンスリーディスティリング(ルイジアナ)/モンゴメリー(モンタナ)/レジェンズ(ジョージア)/オーシャンサイド(フロリダ)
28製品のうち27製品は区分がバーボンで、ライウイスキー区分はカリキンスピリッツの1製品だけです。製品名に加えて備考欄まで含めて High Rye 表記を拾うと、52製品・46蒸溜所・25州に広がります。
併記される表示と度数
28製品の名称には、ハイライ以外のラベル表示がしばしば併記されます。Straight が13製品、Bottled in Bond が4製品、Small Batch が2製品、Single Barrel が1製品、Cask Strength が1製品です。これらはストレートバーボン・ストレートライとは、ボトルドインボンドとは、シングルバレル・スモールバッチ・バレルプルーフの違いで扱っている別軸の表示で、ハイライとは両立します。
度数は28製品のうち16製品に記録があり、うち9製品が50%(100プルーフ)以上でした。プルーフとABVの換算はウイスキーのプルーフとはにまとめています。
関連ページ
- マッシュビル(原料構成)とは — 8種別の法定要件早見表
- ウィーテッドバーボンとは — 副原料が小麦になる側の呼び名
- ライウイスキー — ライ麦51%以上の別種別。収録498製品
- バーボン — トウモロコシ51%以上。収録1,260製品
- アメリカンウイスキー用語集 — ラベルに出る語を五十音で引く
読んだあとの一本
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よくある質問
- ハイライバーボンは法律上の区分ですか?
- いいえ。米国の規格に「ハイライ」という独立した区分はなく、ライ麦を多めに配合したレシピを指す慣習的な呼び名です。当サイト収録製品のうち、種別欄に High Rye という表記を持つ製品は0件で、規格上の区分はいずれもバーボンです。
- ライ麦が何%以上ならハイライバーボンですか?
- 決まった下限はありません。当サイトの収録データでマッシュビルが明記されているバーボンのライ麦比率は10%未満から40%以上まで幅があり、「20%以上」とするか「30%以上」とするかで該当する製品はまったく変わります。製品名に High Rye を掲げる製品のうち比率が明記されたものでも20〜40%と幅があり、名乗るかどうかは蒸溜所の判断です。
- ハイライバーボンとライウイスキーは違うものですか?
- 別のものです。ハイライバーボンはトウモロコシ51%以上というバーボンの要件を満たしたうえで副原料のライ麦を多めにしたもので、区分はバーボンです。ライウイスキーはライ麦そのものが51%以上を占める独立した種別で、当サイトには498製品を収録しています。
- 当サイトにハイライバーボンは何件登録されていますか?
- 製品名に High Rye を含む製品が28件で、25蒸溜所・16州にまたがります。うち11製品がケンタッキー州の蒸溜所のものです。備考欄の表記まで含めて拾うと52製品・46蒸溜所・25州になります。




