ケンタッキーとバーボンとは|生産割合と州外での製造条件

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最終更新 2026-09-29

目次
  1. 早見表
  2. ケンタッキー州の樽在庫と経済規模
  3. 「95%」という数字の出どころ
  4. 連邦規則が定める産地
  5. 石灰岩の水という通説
  6. ラベルのどこを見るか
  7. 出典

ケンタッキー州では2025年1月1日時点で1,610万樽のバーボンが熟成中で、他の蒸溜酒を含めると1,710万樽になる。ただし「バーボン」の名称はケンタッキー州に限られず、連邦規則(27 CFR 5.143)が求めるのは米国内で蒸溜・熟成されていることで、州の指定はない。

早見表

項目数値時点・出典
ケンタッキー州で熟成中のバーボン樽1,610万樽2025年1月1日時点(KDA)
他の蒸溜酒を含む熟成樽の合計1,710万樽2025年1月1日時点(KDA)
蒸溜産業の経済効果年106億ドルKDA、2026年2月公表
蒸溜産業の雇用2万3,935人KDA、2026年2月公表
2000年以降の生産量の増加566%KDA
KDAが使ってきた生産シェア95%算出根拠は示されていない

ケンタッキー州の樽在庫と経済規模

ケンタッキー蒸溜酒協会(Kentucky Distillers' Association、KDA)は2025年10月、州内の熟成倉庫(リックハウス)で熟成中のバーボンが2025年1月1日時点で1,610万樽、他の蒸溜酒を含めて1,710万樽になり、過去最高を更新したと発表した。2021年1月1日時点のバーボン樽は1,032万1,793樽だったので、4年で約1.6倍になった。KDAが2026年2月に公表した隔年の経済効果調査(第8版)では、蒸溜産業の経済効果は年106億ドル、雇用は2万3,935人、給与などは20億ドルとされる。KDAのサイトは、2000年以降に生産量が566%増えたとしている。

「95%」という数字の出どころ

KDAは2019年9月の発表で、ケンタッキー州がバーボン(同協会の表現では「アメリカ唯一の固有の蒸溜酒」)の95%を生産していると説明している。VinePair(2021年)によると、この数字は2009〜2019年のKDAの資料に繰り返し登場し、2003年の記事にも見られる。出どころについては説が分かれる。バーボン作家のChuck Cowderyは2020年のThe Whiskey Washへの寄稿で、KDA会長のEric Gregory氏が自身の大まかな推定から始まった数字だと認めていると書いた。一方VinePairは、Gregory氏のKDA入りが2008年で、それ以前から数字が使われていたことを挙げ、出どころは不明としている。

割合は集計にテネシーウイスキーを含めるかどうかでも変わる。VinePairは、ジャックダニエルはTTBの規則上バーボンの要件を満たすが、テネシーウイスキーとして販売されていると説明している(バーボンとテネシーウイスキーの違い参照)。Cowderyは、ジャックダニエルとジョージディッケルがバーボン型ウイスキーの約4分の1を占めるとして、ケンタッキー州の割合を多くても75%程度と見積もっている。

連邦規則が定める産地

連邦規則(27 CFR 5.143)はバーボンウイスキーを、原料の51%以上がトウモロコシ、蒸溜は160プルーフ以下、内側を焦がした新品のオーク樽に125プルーフ以下で貯蔵したウイスキーと定めている。産地については、米国内で蒸溜・熟成されていないウイスキーに「bourbon」の語を使えないとするだけで、州の指定はない。蒸溜地の州名などをラベルの名称に入れる場合は、蒸溜と定義上必要な熟成をその地で行うことが条件になる。VinePairは、インディアナ州、ワシントン州、テキサス州、ニューヨーク州などのバーボン生産者を取り上げている。

1964年5月4日には、連邦議会の両院一致決議(S. Con. Res. 19)がバーボンを「アメリカ合衆国に特有の産品」と宣言したと業界誌Distillery Trailは伝えている。

石灰岩の水という通説

ケンタッキー州にバーボン生産が集まった理由の一つとして、石灰岩層を通った水の説がよく語られる。業界誌The Whiskey Wash(2015年)は、石灰岩の上を流れる間に水から鉄分が除かれるという説明や、鉄分を含む水で造ったウイスキーは黒くなるという著述家の記述を紹介している。

ラベルのどこを見るか

ラベルに「Kentucky Straight Bourbon Whiskey」とあれば、蒸溜と、ストレートの定義が求める2年以上の熟成がケンタッキー州内で行われている。州名のない「Straight Bourbon Whiskey」という表示だけでは蒸溜地はわからず、ケンタッキー州産のことも他州産のこともある。トウモロコシ比率の決まりは51%以上で、配合の考え方はマッシュビルとは、熟成年数の決まりはストレートウイスキーとは、カテゴリー全体の定義はバーボンウイスキーとはにまとめている。禁酒法期の業界の動きは禁酒法とはを参照。

出典

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よくある質問

なぜバーボンの多くはケンタッキー州で造られているのか。
法律上の理由ではない。連邦規則(27 CFR 5.143)は米国内での蒸溜・熟成を求めるだけで州を指定していない。理由としては石灰岩層を通った水の説などが語られており、業界誌The Whiskey Washは、石灰岩の上を流れる間に水から鉄分が除かれるという説明を紹介している。
バーボンはケンタッキー州以外でも造れるのか。
造れる。「bourbon」の語は米国内で蒸溜・熟成されたウイスキーに使えるもので、州の指定はない。VinePairはインディアナ州、ワシントン州、テキサス州、ニューヨーク州などの生産者を取り上げている。
「ケンタッキー州が世界のバーボンの95%を生産」という数字は正しいか。
KDAが使ってきた数字だが、算出根拠は示されていない。Chuck CowderyはThe Whiskey Wash(2020年)で、KDA会長のEric Gregory氏が自身の推定から始まった数字だと認めていると書き、テネシーウイスキーを除けばケンタッキー州は多くても75%程度と見積もっている。VinePairは出どころを不明としている。

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