バーボンとスコッチの違い|原料・樽・産地のルールを並べて比較
本ページにはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。
目次
バーボンとスコッチの違いは、突き詰めると「味の好み」の話ではなくルールの違いです。どちらも法律で原料・樽・熟成期間・産地が定められていて、その規定の差が両者を別のカテゴリーとして隔てています。ここでは両者の要件を項目ごとに並べ、数字は本サイトに収録したアメリカンウイスキーのデータから機械的に数えられるものだけを添えて整理します。
原料の違い:トウモロコシ51%以上か、大麦麦芽か
バーボンは、穀物原料に占めるトウモロコシの割合が51%以上であることが要件です。残りはライ麦・小麦・大麦麦芽などで構成され、この配合(マッシュビル)が銘柄ごとの骨格を決めます。
スコッチウイスキーは、水と麦芽にした大麦を原料とします(他の穀物を全粒の形で加えることは認められています)。シングルモルトは100%大麦麦芽です。
「51%以上」という考え方はアメリカンウイスキーの他の種別にも同じように適用され、ライ麦51%以上ならライウイスキー、小麦51%以上ならウィートウイスキー、トウモロコシ80%以上ならコーンウイスキーという区分になります。
樽の違い:焦がした新樽か、使い終えた樽か
両者の差が最も大きいのがここです。バーボンは内側を焦がした新しいオーク樽での熟成が要件で、一度バーボンを詰めた樽をもう一度バーボンに使うことはできません。
対してスコッチウイスキーの規定は、スコットランド国内の倉庫で700リットル以下のオーク樽に詰めることを求めますが、その樽が新品である必要はありません。新樽に限るか、使用済みの樽を認めるか。この一点が、両者の規定のあいだで最も大きな隔たりです。
熟成年数のルール:ストレートで2年以上か、3年以上か
バーボンそのものに最低熟成期間の定めはありません。ただし「ストレートバーボン」を名乗るには2年以上の熟成と、着色・着香を行わないことが必要で、4年未満の場合は熟成年数の表示が義務づけられます。
スコッチウイスキーは、カテゴリ全体として3年以上の熟成が要件です。最低year数を種別ごとに置くか、カテゴリ全体で一律に置くか、という設計の違いがあります。
産地呼称:米国内ならどの州でも、スコッチはスコットランドだけ
バーボンは米国内で造られていればよく、ケンタッキー州に限りません。本サイトが収録する蒸溜所は51の州・地域(50州とワシントンD.C.)に分布し、ケンタッキーの84蒸溜所は全体の約12%です。テキサス、コロラド、ニューヨーク、オレゴンにも蒸溜所が並びます(ケンタッキーの一覧はこちら)。
一方スコッチウイスキーは、スコットランドで蒸溜・熟成されたものだけが名乗れます。産地が名称そのものを規定している点が、バーボンとの決定的な違いです。
テネシーウイスキーの条件はさらに狭く、テネシー州で造り、熟成前にサトウカエデの炭でろ過する「リンカーン郡製法」を経ることが求められます(ジャックダニエル、カスケードホロウ)。
スペリング:whiskey と whisky
米国とアイルランドでは whiskey、スコットランドでは whisky と綴るのが一般的です。ただし米国内にも whisky 表記の銘柄は存在します。本サイトの製品データのうち、製品名に "Whisky"(e なし)を用いるものは83件ありました。メーカーズマークがその代表例です。綴りだけで産地を判断することはできません。
ピートの有無という分かれ道
スコットランドには、麦芽を乾燥させる際にピート(泥炭)を焚き、燻したような香りをまとわせる伝統があります。
本サイトのアメリカ蒸溜所データのうち、備考欄でピート(peat)の使用に触れているのがショートパス、ソーントンディスティリング、メインクラフトディスティリングの3件で、生産種別の欄に Peated / Peat-Smoked と明記しているのがキングスカウンティ、ステイト38ディスティリング、アマルガです。これは本サイトの収録データ上の件数であり、米国でピートを使う蒸溜所の総数ではありません。
収録データで見る規模感
収録している製品を種別ごとに正規化して数えると、バーボン1260件、ライウイスキー498件、アメリカンシングルモルト296件、その他・ブレンデッド167件、コーンウイスキー75件、ウィートウイスキー49件、テネシーウイスキー46件、フレーバードウイスキー23件です。蒸溜所はA-Z索引と蒸溜所一覧から辿れます。
バーボンの代表的な造り手としてはバッファロートレース、ヘヴンヒル、フォアローゼズ、ワイルドターキー、ジムビームが、アメリカンシングルモルトではウエストワード、バルコネス、ストラナハンズコロラドウイスキーが本サイトに収録されています。
スコッチをもっと詳しく調べる
スコッチ側は姉妹サイト WHISKYWORLD で扱っています。産地による違いを追うなら、アイラ、スペイサイド、ハイランド、キャンベルタウン、ローランド、アイランズの地域別ページが入口になります。
「どちらから飲むべきか」には答えません
本サイトは蒸溜所と製品の事実を集めた資料集です。編集部が実際に飲み比べて検証していない以上、どちらがおいしいか、どちらから始めるべきかといった評価や推奨は書きません。
代わりに、ここまで並べた規定を手がかりに種別図鑑をたどることはできます。トウモロコシ51%以上・内側を焦がした新樽という規定で造られるのがバーボン、ライ麦51%以上がライウイスキー、スコッチのシングルモルトと同じ100%大麦麦芽を原料とするのがアメリカンシングルモルトです。それぞれの種別ページに、本サイトが収録する製品と蒸溜所が一覧で並んでいます。
関連ページ
読んだあとの一本
Maker's Mark Kentucky Straight Bourbon Whiskyメーカーズ・マーク ケンタッキー・ストレート・バーボン・ウイスキーバーボン・45%Amazonで探す ↗ 広告家で試すなら
- 本バーボンの本禁酒法の時代を越えてきた蒸溜所の話は、読みものとしても面白い。Amazonで探す ↗ 広告
- グラスグレンケアン グラスすぼまった口に香りがたまる形。ストレートはまずこれで。Amazonで探す ↗ 広告
- 氷丸氷メーカー丸い氷は表面積が小さいぶん溶けにくい。作るのに一晩かかるので前の日に。Amazonで探す ↗ 広告
※ Amazonの検索結果へのアフィリエイトリンクです。価格と在庫はリンク先でご確認ください。
よくある質問
- バーボンとスコッチの一番大きな違いは何ですか。
- 樽の規定です。バーボンは内側を焦がした新しいオーク樽での熟成が要件で、同じ樽を二度バーボンに使うことはできません。一方スコッチウイスキーはスコットランド国内で700リットル以下のオーク樽に3年以上入れることが要件で、樽が新品である必要はありません。この差が、新樽由来の甘い樽香が出るかどうかを分けています。
- バーボンはケンタッキー州でしか造れないのですか。
- いいえ。バーボンの産地要件は「米国内で造られていること」で、州の指定はありません。本サイトが収録する蒸溜所は51の州・地域(50州とワシントンD.C.)に分布しており、ケンタッキーの84蒸溜所は全体の約12%です。ただしテネシーウイスキーは例外で、テネシー州で造りリンカーン郡製法を経ることが求められます。
- whiskey と whisky はどちらが正しい綴りですか。
- どちらも正しく、地域による慣習の差です。米国とアイルランドでは whiskey、スコットランドでは whisky が一般的ですが、米国内にも whisky 表記の銘柄はあります。本サイトの製品データのうち、製品名に "Whisky"(e なし)を用いるものが83件ありました。綴りだけで産地を判断することはできません。
- バーボンとスコッチ、どちらから飲み始めるのがよいですか。
- 本サイトは蒸溜所と製品の事実を集めた資料集で、実際に飲み比べた検証を行っていないため、味の優劣は書きません。規定の違いを手がかりに、焦がした新樽の甘い樽香ならバーボン、スパイシーな方向ならライウイスキー、大麦麦芽100%という共通点で比べたいならアメリカンシングルモルト、というように種別図鑑から収録製品をたどってください。




