バレルプルーフとは|カスクストレングスとの違いと度数

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目次
  1. 2つの語は規則上は同じもの
  2. 似た響きでも扱いが同じとは限らない語がある
  3. 度数はどのあたりに集まるか
  4. 種別の内訳
  5. シングルバレルや熟成年数との関係
  6. 数字は「その瓶詰めの数字」
  7. 関連ページ

アメリカンウイスキーのラベルにある「Barrel Proof」「Cask Strength」は、樽から抜いた原酒を加水で薄めず、樽出しの度数のまま瓶詰めしたことを示す表記です。度数を決まった数字に合わせる工程がないため一般的な製品より高い数値になり、同じ銘柄でも瓶詰めのたびに数字が動きます。

当サイトが収録するアメリカンウイスキー製品のうち、製品名に barrel proof・cask strength・full proof のいずれかを含むものは109件でした。

2つの語は規則上は同じもの

米国の酒類表示規則 27 CFR 5.87(a) は barrel proof と cask strength を並べて規定しており、規則上の扱いは同じです。瓶詰め時のプルーフが樽出し時のプルーフより2度を超えて低くない場合にかぎって表示できます。プルーフはアルコール度数(ABV)を2倍した数値ですから、2度はABVの1%にあたります。加水は実質1%以内までということです。同条(b)は original proof/original barrel proof/original cask strength/entry proof の4語について、樽入れ時と瓶詰め時のプルーフが同一である場合に限定しています。詳しい条文の読み方はシングルバレル・スモールバッチ・バレルプルーフの違いで扱っています。

ラベルにバレルプルーフ・カスクストレングスとある銘柄

似た響きでも扱いが同じとは限らない語がある

注意したいのは、樽出しを思わせる語が上の規定と同じ扱いになるとは限らない点です。full proof と barrel strength については、上で挙げた(a)(b)の規定にあたるかどうかを当サイトでは確認できていません。 この2語で造り手が何を意味させているかは、製品ごとに確認する必要があります。

収録データでの出現数は次のとおりです。

製品名に含む語規則上の位置づけ収録件数ABV記載
cask strength(a)に規定82件52件
barrel proof(a)に規定21件18件
full proof確認できず6件6件
3語の合計109件76件
barrel strength(参考)確認できず10件7件

度数はどのあたりに集まるか

3語に該当する109件のうち、ABVの記載がある76件を度数帯ごとに数えました。

ABV帯プルーフ換算件数
50%未満100未満1件
50.0〜54.9%100〜1098件
55.0〜59.9%110〜11949件
60.0〜64.9%120〜12915件
65.0%以上130以上3件
合計76件

76件のうち75件が50%以上、18件が60%以上で、55.0〜59.9%の帯に49件と集中しています。収録製品全体では50%以上は約40%ですから、この群が全体からはっきり離れた位置にあることが数値で確認できます。

この109件のうち65%以上の3件には、エイスミスボウマン カスクストレングス ヴァージニア ストレートバーボンの68.8%(10年)やマナタウニースティルワークス カスクストレングス 7年 フォーグレインの67.5%があります。50%未満も1件(49.5%)あり、加水していなくても50%を下回る例があります。

種別の内訳

種別cask strengthbarrel prooffull proof計
バーボン58件14件4件76件
ライ12件7件2件21件
アメリカンシングルモルト7件0件0件7件
その他のアメリカンウイスキー4件0件0件4件
ウィートウイスキー1件0件0件1件
合計82件21件6件109件

約7割がバーボンです。アメリカンシングルモルトの7件はいずれも cask strength 表記で、barrel proof と full proof は使われていませんでした。full proof の6件は、バーボンが4件・ライが2件という内訳です。蒸溜所別ではグリーンリバーディスティリングカンパニーが2件、バートン1792が1件、ジャクソンパーチェスが1件でした。

この109件は95の蒸溜所・30の州にまたがります。最も多いのはケンタッキー州の31件です。

シングルバレルや熟成年数との関係

樽出し度数であることは、どの樽を選んだかとも、何年寝かせたかとも別の軸です。109件のうち製品名に single barrel を併記するものが20件、small batch を併記するものが2件ありました。3表記を並べた比較はシングルバレル・スモールバッチ・バレルプルーフの違いで整理しています。

熟成年数の記載があるのは109件のうち43件でした。年数表記がない製品の読み方は熟成年数表記とNASを参照してください。ワイルドターキー レアブリード バレルプルーフ(58.4%)やメーカーズマーク カスクストレングス(55.05%)のように、年数を示さない例があります。

なおボトルドインボンドはちょうど100プルーフ(50%)での瓶詰めが条件で、度数を固定する表記です。度数を固定しないバレルプルーフとは、向きが逆の規定だといえます。

数字は「その瓶詰めの数字」

加水で度数を揃えないということは、樽ごと・バッチごとの差がそのまま瓶の度数に出るということです。当サイトの収録値も特定時点の1つの値であり、同じ銘柄の別バッチでは変わりえます。エライジャクレイグ バレルプルーフ(62.8%・12年)やブッカーズ スモールバッチ カスクストレングス(63%)のように、ラベルやバッチ表示でその瓶の度数を確認するのが確実です。

小麦を副原料に使うウィーテッドバーボンにも該当例があり、ヘヴンヒルのラーセニー バレルプルーフ(57.4%)がこれにあたります。

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よくある質問

バレルプルーフとカスクストレングスの違いは何ですか。
米国の規則上は同じ扱いです。27 CFR 5.87(a) は barrel proof と cask strength を並べて規定し、瓶詰め時のプルーフが樽から抜いた時点のプルーフより2度を超えて低くない場合にかぎって表示できると定めています。当サイト収録の製品では、製品名に cask strength を含むものが82件、barrel proof が21件で、cask strength のほうが多く使われています。
フルプルーフ(Full Proof)もバレルプルーフと同じですか。
同じとは言い切れません。barrel proof と cask strength は 27 CFR 5.87(a) が並べて規定していますが、full proof がこの規定にあたるかどうかは当サイトでは確認できていません。造り手ごとに意味が異なりうるため、製品単位での確認が必要です。収録データでは製品名に full proof を含むものが6件あり、ABVの記載は6件でした。barrel strength を含むものは10件で、こちらも規則上の位置づけは確認できていません。
バレルプルーフの度数はどのくらいですか。
barrel proof・cask strength・full proof のいずれかを製品名に含む109件のうち、ABVの記載がある76件では、75件が50%以上、18件が60%以上です。収録製品全体では50%以上は約40%なので、明確に高い水準に位置します。
バレルプルーフはまったく加水していないのですか。
厳密にゼロとは限りません。27 CFR 5.87(a) は瓶詰め時のプルーフが樽出し時より2度を超えて低くない範囲を認めており、プルーフはABVの2倍なので2度はABV 1%にあたります。つまりABVで1%以内の差は規則の範囲内です。樽入れ時と瓶詰め時のプルーフが同一であることを求めるのは、同条(b)の original proof や entry proof といった表示です。

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