オーツウイスキーとは|穀物名を付ける51%の規則
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最終更新 2026-10-19
オーツウイスキー(oat whisky)のように、トウモロコシ・ライ麦・小麦・大麦麦芽以外の穀物の名前を付けたウイスキーは、米国の連邦規則27 CFR 5.143の表で「[穀物名] Whisky」として認められている。条件は、その穀物を51%以上含む発酵もろみを160プルーフ(アルコール分80%)以下で蒸溜し、焦がした新しいオーク樽に125プルーフ以下で詰めて貯蔵すること。原料・蒸溜・貯蔵の条件はバーボンやライウイスキーと同じで、名前に入る穀物だけが変わる(着色料などの扱いはバーボンだけ別)。
2022年の改正で加わった枠
2021年版の規則(旧5.22(b)(1)(i))が挙げていた種別名は bourbon・rye・wheat・malt・rye malt の5つで、原料はトウモロコシ・ライ麦・小麦・大麦麦芽・ライ麦麦芽に限られていた。2022年2月9日に公布され、3月11日に施行された改正(T.D. TTB-176)で条文が表の形に組み替えられ、表1の(2)に「[name of other grain] Whisky」、使用済みの樽で貯蔵する(7)に「Whisky distilled from [Name of other grain] mash」が入った。
| 表1の区分 | 原料 | 蒸溜 | 貯蔵 |
|---|---|---|---|
| (2) [穀物名] Whisky(例: Oat Whisky) | その穀物51%以上 | 160プルーフ以下 | 焦がした新しいオーク樽、125プルーフ以下 |
| (7) Whisky distilled from [穀物名] mash | その穀物51%以上 | 160プルーフ以下 | 使用済みのオーク樽 |
| (1) Whisky | 穀物の発酵もろみ | 190プルーフ未満 | オーク樽(期間の下限なし) |
表の着色料・香味料・ブレンド材料の欄は、(2)の行が「バーボン以外は可」になっている。ストレートの行(5)に名前が挙がるのはバーボン・ライ・ウィート・モルト・ライモルトの5つで、ほかの穀物の枠はない。(2)の区分は5.143(b)で米国の特産品とされ、米国外で蒸溜したものは、国名を種別名のすぐ隣に書く。国名がラベルの別の場所にあるときは、種別名の前に「American type」と付ける。どの穀物でも、4年未満ならボトルドインボンドを除いて年数の表示が要る(5.74(b))。
穀物に入るもの
5.1は「穀物」を、穀類と、擬穀類のアマランサス・そば・キヌアの種と定めている。この定義も同じ改正で入った。改正の説明によると、米国蒸溜酒協会(DISCUS)は米農務省の穀物の一覧(大麦、トウモロコシ、オーツ麦、ライ麦、ソルガム、ライ小麦、小麦など)に加えて米やキビも書き出すよう求めた。TTBは、定義が穀類をすべて含むので一つずつ挙げる必要はないと答えている。擬穀類を使った製品のラベル申請を何件も受けていたことも、定義を置いた理由に挙げた。
ソルガム(モロコシ)については、ケンタッキー蒸溜酒協会(KDA)が、穀粒と、サトウモロコシ(cane sorghum)や茎とを分けて扱うよう求めた。TTBはこの点を改正の範囲外とし、今後の規則づくりへの提案として扱うとした。ソルガムやトウモロコシのシロップは穀物でないという従来の方針は、改正で変わらないと書いている。
蒸溜所の例
- コーヴァル(イリノイ州)のスレッシュ&ウィノウ ミレット ウイスキーは、公式サイトの説明で有機栽培のキビ100%、100プルーフ(50%)。同社は、キビだけを穀物にしたウイスキーを米国で最初に造った蒸溜所だと書いている。
- 同じコーヴァルのシングル・バレル・バーボンは、トウモロコシ51%・キビ49%で94プルーフ。トウモロコシが51%に届いているので、区分はバーボンになる。
- J.T.メレックディスティラーズ(ルイジアナ州)は、自家の農場で育てた米からすべてのウイスキーを米100%で蒸溜していると公式サイトに書いている。製品にはスモールバッチ アメリカン ライスウイスキー(48%)がある。
- ストーンバーンブランディワークス(オレゴン州)は、スペルト小麦・キビ・オーツ麦のウイスキーも造ってきたと公式サイトに書いている。製品名にオーツが入る例には、ダコタスピリッツ(サウスダコタ州)の1804 オート・ウイスキーもある。
原料の比率の読み方はマッシュビルとは、小麦の場合はウィートウイスキーとはにまとめた。
出典
条文は2025年4月1日版(旧5.22は2021年4月1日版)。各社の公式サイトは2026年10月19日に確認。
- 27 CFR 5.143 Whisky - govinfo
- 27 CFR Part 5 Labeling and Advertising of Distilled Spirits(2025年4月1日版) - govinfo
- T.D. TTB-176(87 FR 7526、2022年2月9日) - govinfo
- TTB 2022年2月9日の発表(FY 22-5)
- 旧27 CFR 5.22 The standards of identity(2021年4月1日版) - govinfo
- Thresh and Winnow Millet Whiskey - KOVAL Distillery
- KOVAL Bourbon Whiskey - KOVAL Distillery
- J.T. Meleck Distillers 公式サイト
- Whiskeys - Stone Barn Brandyworks
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よくある質問
- オーツウイスキーとバーボンの違いは何ですか。
- 51%以上を占める穀物がオーツ麦かトウモロコシかの違いで、160プルーフ以下の蒸溜と、焦がした新しいオーク樽に125プルーフ以下で詰める貯蔵の条件は同じ。27 CFR 5.143の表の(2)の行では、着色料・香味料・ブレンド材料がバーボンだけ不可になっている。
- オーツ麦を49%使ったバーボンはオーツウイスキーと表示できますか。
- できない。種別名に付けるのは51%以上を占める穀物で、トウモロコシが51%以上ならバーボンになる。コーヴァルのバーボンはトウモロコシ51%・キビ49%で、バーボンとして出ている。
- キヌアやそばから造ったウイスキーも認められますか。
- 認められる。2022年3月11日施行の改正(T.D. TTB-176)で、27 CFR 5.1の「穀物」に穀類と、擬穀類のアマランサス・そば・キヌアの種が入った。
- ソルガム(モロコシ)のウイスキーはどう扱われますか。
- 2022年の改正では、ソルガムの茎などの扱いは決められていない。ケンタッキー蒸溜酒協会が穀粒と、サトウモロコシや茎との区別を求めたのに対し、TTBは改正の範囲外とし、今後の規則づくりへの提案として扱うとした。ソルガムやトウモロコシのシロップは穀物でないという従来の方針は、改正で変わらない。




