ノンチルフィルタードとは|冷却ろ過の意味と濁る仕組み

本ページにはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。

目次
  1. 冷やすと濁る仕組み
  2. 冷却ろ過の手順
  3. 度数との関係
  4. ノンチルフィルタードを掲げる銘柄
  5. 味は変わるのか
  6. 出典

冷却ろ過(chill filtration)は、瓶詰めの前にウイスキーを冷やし、低温で固まって見えるようになる成分をフィルターでこし取る工程です。この工程を省いて瓶詰めしたものがノンチルフィルタードと呼ばれます。取り除かれるのは脂肪酸・たんぱく質・エステルで、ヘヴンヒルはこれらを、蒸溜と熟成でできる害のない副産物と説明しています。

冷やすと濁る仕組み

ふだんは溶けていて見えない脂肪酸・たんぱく質・エステルは、冷えると液から出て集まり、目に見える濁りになります。英語ではこの濁りをフロック、濁ることをフロッキングと呼びます。ヘヴンヒルによれば、濁りは温まると消えるもので、蒸溜所で加水して度数を下げるときにも同じ成分が出てくることがあるそうです。

ワイルドターキーの説明では、濁りが出やすいのは水を足したり氷が溶けたりして度数が下がったときで、見た目だけの変化で風味には影響しません。

冷却ろ過の手順

項目ヘヴンヒルワイルドターキー
冷やす温度タンクで華氏28度華氏14〜39度
こし方ろ材を入れた板と枠の列に、圧力をかけて通す冷えて固まった成分を何枚ものフィルターで除く
ろ材紙・布・珪藻土記載なし
効果濁りの99%を除く冷やしても薄めても濁らない

ワイルドターキーは、どの蒸溜酒も固形物が瓶に入らないよう物理的なろ過を経ており、冷却ろ過はそれに冷やす工程を加えたものだと説明しています。フォアローゼズの公式サイトによると、同社のシングルバレルの製品は、樽ごとに加水と検査を受け、冷却ろ過をしてから瓶詰めの列に送られます。

度数との関係

ヘヴンヒルは、熟成したウイスキーでは濁りがおよそ95プルーフ(アルコール度数47.5%)から始まると説明し、そのためエライジャクレイグ スモールバッチ(94プルーフ)、ラーセニーのスモールバッチ(92プルーフ)、自社のボトルドインボンドは冷却ろ過をしていると書いています。ヘヴンヒルの原文は95プルーフに45%を添えていますが、プルーフの半分で計算すると47.5%です。ワイルドターキーが境に挙げるのは46%です。40〜46%の一般的な度数の製品はふつう冷却ろ過をするとし、ワイルドターキー 101を含む自社の大半のウイスキーも冷却ろ過済みです。

度数が高ければ、成分は溶けたまま残りやすくなります。ヘヴンヒルは、ノンチルフィルタードのウイスキーは度数が高いのでめったに濁らないとしています。一方でワイルドターキーによると、46%を超える製品で冷却ろ過を省く蒸溜所もあり、瓶の中では濁らなくても、グラスで大きく薄めると濁りが出ることがあるとのことです。

ノンチルフィルタードを掲げる銘柄

銘柄公式サイトの説明
フォアローゼズ スモールバッチ セレクト104プルーフ。2019年3月7日の発表で、定番の製品では初めての冷却ろ過なし。熟成6年と7年の原酒を使う
ニューリフのボトルドインボンドすべてのウイスキーをボトルドインボンドとし、さらに冷却ろ過を省く

ヘヴンヒルは、以前は冷却ろ過をしない製品を出しておらず、今も瓶詰めの大半は冷却ろ過をしているものの、求める人が増えたため一部をノンチルフィルタードにしていると説明しています。

味は変わるのか

蒸溜所の中でも見方は一つではありません。ワイルドターキーは、ノンチルフィルタードは口当たりに厚みが出やすく、冷却ろ過をしたものは軽くすっきりしてぶれが少ないと説明しつつ、違いはごくわずかだと考える専門家もいると書いています。ヘヴンヒルで新製品開発と品質保証を担当する副社長のクリス・ブライニーの答えは、同じ原酒で冷却ろ過の有無だけを変えた2杯を目隠しで出されても、当てられるほうには賭けない、というものでした。

出典

確認日はいずれも2026年10月17日です。

この記事に出てくる銘柄

読んだあとの一本

どれも国内で手に入る定番です。

家で試すなら

  • グラスロックグラス氷で冷えると、アルコールの角が取れて飲み口がやわらかくなる。Amazonで探す ↗ 広告
  • 本バーボンの本禁酒法の時代を越えてきた蒸溜所の話は、読みものとしても面白い。Amazonで探す ↗ 広告
  • 氷丸氷メーカー丸い氷は表面積が小さいぶん溶けにくい。作るのに一晩かかるので前の日に。Amazonで探す ↗ 広告

※ Amazonの検索結果へのアフィリエイトリンクです。価格と在庫はリンク先でご確認ください。

よくある質問

ノンチルフィルタードとは何ですか。
瓶詰め前の冷却ろ過を省いたウイスキーです。冷却ろ過では、冷やすと固まって見える脂肪酸・たんぱく質・エステルをフィルターで取り除きます。ノンチルフィルタードでは、これらが液に残ります。
冷蔵庫で冷やしたら白く濁りました。傷んでいるのですか。
ヘヴンヒルは、冷やしたり水を加えたりしたときに出る濁りを、蒸溜と熟成でできる害のない成分が集まったもので、温まると消えると説明しています。ワイルドターキーも、見た目だけの変化で風味には影響しないとしています。
どのくらいの度数から濁りやすいのですか。
ヘヴンヒルは、熟成したウイスキーではおよそ95プルーフ(47.5%)から濁りが始まると説明しています。ワイルドターキーは46%を境に挙げ、それを下回ると濁りやすいとしています。
冷却ろ過をしないほうが味がよいのですか。
見方が分かれます。ワイルドターキーは、ノンチルフィルタードは口当たりに厚みが出やすいとしつつ、違いはごくわずかだと考える専門家もいると書いています。ヘヴンヒルのクリス・ブライニーは、同じ原酒の飲み比べを目隠しで出されても、当てられるほうには賭けないと話しています。

ほかのガイド

ガイドをすべて見る →