ノンチルフィルタードとは|冷却ろ過の意味と濁る仕組み
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冷却ろ過(chill filtration)は、瓶詰めの前にウイスキーを冷やし、低温で固まって見えるようになる成分をフィルターでこし取る工程です。この工程を省いて瓶詰めしたものがノンチルフィルタードと呼ばれます。取り除かれるのは脂肪酸・たんぱく質・エステルで、ヘヴンヒルはこれらを、蒸溜と熟成でできる害のない副産物と説明しています。
冷やすと濁る仕組み
ふだんは溶けていて見えない脂肪酸・たんぱく質・エステルは、冷えると液から出て集まり、目に見える濁りになります。英語ではこの濁りをフロック、濁ることをフロッキングと呼びます。ヘヴンヒルによれば、濁りは温まると消えるもので、蒸溜所で加水して度数を下げるときにも同じ成分が出てくることがあるそうです。
ワイルドターキーの説明では、濁りが出やすいのは水を足したり氷が溶けたりして度数が下がったときで、見た目だけの変化で風味には影響しません。
冷却ろ過の手順
| 項目 | ヘヴンヒル | ワイルドターキー |
|---|---|---|
| 冷やす温度 | タンクで華氏28度 | 華氏14〜39度 |
| こし方 | ろ材を入れた板と枠の列に、圧力をかけて通す | 冷えて固まった成分を何枚ものフィルターで除く |
| ろ材 | 紙・布・珪藻土 | 記載なし |
| 効果 | 濁りの99%を除く | 冷やしても薄めても濁らない |
ワイルドターキーは、どの蒸溜酒も固形物が瓶に入らないよう物理的なろ過を経ており、冷却ろ過はそれに冷やす工程を加えたものだと説明しています。フォアローゼズの公式サイトによると、同社のシングルバレルの製品は、樽ごとに加水と検査を受け、冷却ろ過をしてから瓶詰めの列に送られます。
度数との関係
ヘヴンヒルは、熟成したウイスキーでは濁りがおよそ95プルーフ(アルコール度数47.5%)から始まると説明し、そのためエライジャクレイグ スモールバッチ(94プルーフ)、ラーセニーのスモールバッチ(92プルーフ)、自社のボトルドインボンドは冷却ろ過をしていると書いています。ヘヴンヒルの原文は95プルーフに45%を添えていますが、プルーフの半分で計算すると47.5%です。ワイルドターキーが境に挙げるのは46%です。40〜46%の一般的な度数の製品はふつう冷却ろ過をするとし、ワイルドターキー 101を含む自社の大半のウイスキーも冷却ろ過済みです。
度数が高ければ、成分は溶けたまま残りやすくなります。ヘヴンヒルは、ノンチルフィルタードのウイスキーは度数が高いのでめったに濁らないとしています。一方でワイルドターキーによると、46%を超える製品で冷却ろ過を省く蒸溜所もあり、瓶の中では濁らなくても、グラスで大きく薄めると濁りが出ることがあるとのことです。
ノンチルフィルタードを掲げる銘柄
| 銘柄 | 公式サイトの説明 |
|---|---|
| フォアローゼズ スモールバッチ セレクト | 104プルーフ。2019年3月7日の発表で、定番の製品では初めての冷却ろ過なし。熟成6年と7年の原酒を使う |
| ニューリフのボトルドインボンド | すべてのウイスキーをボトルドインボンドとし、さらに冷却ろ過を省く |
ヘヴンヒルは、以前は冷却ろ過をしない製品を出しておらず、今も瓶詰めの大半は冷却ろ過をしているものの、求める人が増えたため一部をノンチルフィルタードにしていると説明しています。
味は変わるのか
蒸溜所の中でも見方は一つではありません。ワイルドターキーは、ノンチルフィルタードは口当たりに厚みが出やすく、冷却ろ過をしたものは軽くすっきりしてぶれが少ないと説明しつつ、違いはごくわずかだと考える専門家もいると書いています。ヘヴンヒルで新製品開発と品質保証を担当する副社長のクリス・ブライニーの答えは、同じ原酒で冷却ろ過の有無だけを変えた2杯を目隠しで出されても、当てられるほうには賭けない、というものでした。
出典
確認日はいずれも2026年10月17日です。
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よくある質問
- ノンチルフィルタードとは何ですか。
- 瓶詰め前の冷却ろ過を省いたウイスキーです。冷却ろ過では、冷やすと固まって見える脂肪酸・たんぱく質・エステルをフィルターで取り除きます。ノンチルフィルタードでは、これらが液に残ります。
- 冷蔵庫で冷やしたら白く濁りました。傷んでいるのですか。
- ヘヴンヒルは、冷やしたり水を加えたりしたときに出る濁りを、蒸溜と熟成でできる害のない成分が集まったもので、温まると消えると説明しています。ワイルドターキーも、見た目だけの変化で風味には影響しないとしています。
- どのくらいの度数から濁りやすいのですか。
- ヘヴンヒルは、熟成したウイスキーではおよそ95プルーフ(47.5%)から濁りが始まると説明しています。ワイルドターキーは46%を境に挙げ、それを下回ると濁りやすいとしています。
- 冷却ろ過をしないほうが味がよいのですか。
- 見方が分かれます。ワイルドターキーは、ノンチルフィルタードは口当たりに厚みが出やすいとしつつ、違いはごくわずかだと考える専門家もいると書いています。ヘヴンヒルのクリス・ブライニーは、同じ原酒の飲み比べを目隠しで出されても、当てられるほうには賭けないと話しています。




