バーボン樽の再利用とは|スコッチ・ラム・テキーラへ渡る樽

本ページにはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。

最終更新 2026-09-30

目次
  1. 早見表
  2. 一度しか使えない理由
  3. スコッチとアイリッシュ
  4. ラムとテキーラ
  5. ビールと米国内での再利用
  6. 買うときに見るところ
  7. 出典

バーボンは米国の連邦規則(27 CFR 5.143)で、内側を焦がした新しいオーク樽(charred new oak barrels)での貯蔵が条件なので、一度バーボンを熟成した樽は次のバーボンには使えません。空いた樽はスコッチやアイリッシュ、ラム、テキーラ、ビールの造り手に渡り、ケンタッキーのヘヴンヒルは自社の樽の行き先としてこれらを挙げています。

早見表

行き先樽についての決まり公式に確かめられる例
バーボン内側を焦がした新しいオーク樽に125プルーフ以下で貯蔵(27 CFR 5.143)ヘヴンヒルは53ガロン(約200L)の樽をチャーのレベル3で焼く
スコッチ700L以下のオーク樽で、スコットランドで3年以上(スコッチウイスキー規則2009)キルホーマンは2005年〜2023年初めにバッファロートレース、2023年からブレッケンリッジの樽
アイリッシュオークなどの木樽(700L以下)で、アイルランド島で3年以上技術文書がバーボン樽を使用例に挙げる
ラム―アプルトンエステート、マウントゲイのブラックバレル
テキーラアネホは600L以下のオーク材の容器で1年以上(NOM-006-SCFI-2012)エスポロンのアネホ、ルナズール
ビール―グースアイランドの「Bourbon County Brand Stout」
米国のコーンウイスキー貯蔵する場合は125プルーフ以下で、使用済みか焦がしていない新しいオーク樽(27 CFR 5.143)ヘヴンヒルの「メロウコーン」

一度しか使えない理由

27 CFR 5.143の表は、バーボンのほかライ、ウィート、モルトなどのウイスキーにも、125プルーフ以下で内側を焦がした新しいオーク樽に貯蔵することを求めています。ストレートバーボンは、その樽で2年以上です。バーボンを熟成庫で寝かせ終えた樽はもう「新しい」樽ではないので、同じ区分のウイスキーには戻せません。ヘヴンヒルは、バーボンと違ってスコッチは新しい樽で熟成させる必要がない、と説明しています。

ヘヴンヒルの樽は元の大きさが53ガロン(約200L)で、内側をチャーのレベル3(40秒)で焼き、深さ1/4インチ(約6mm)の炭の層をつくります。焼きの段階はチャー(樽の焦がし)とはにまとめています。

同じ規則は、使用済みの樽を認める区分も定めています。「バーボンマッシュから蒸溜したウイスキー」は使用済みのオーク樽、コーンウイスキーは貯蔵する場合に使用済みか焦がしていない新しいオーク樽、アメリカンシングルモルトは使用済み・焦がした新樽・焦がしていない新樽のいずれか(700L以下)です。

スコッチとアイリッシュ

スコッチウイスキー規則2009(第3条)は、700L以下のオーク樽で、スコットランドで3年以上熟成することを求めていますが、新樽である必要はありません。スコッチウイスキー協会(SWA)は2019年6月15日に技術文書の改正を発表し、Q&Aで、新しいオーク樽か、ワイン、ビール、蒸溜酒の熟成に使ったオーク樽を使えると説明しています(核果類の酒や、あとから果実・香料・甘味を加えた酒の樽は除く)。以前から使われてきた樽の例には、バーボン、シェリー、ラム、ワイン、ビールを挙げています。

ヘヴンヒルによると、スコッチ向けの樽はふつう53ガロンの形からばらして板の束(シュック)にし、ほかの蒸溜所の仕様に合わせて組み直せるようにします。キルホーマンも2023年の発表で、一度使ったバーボン樽はスコットランドへ送られ、ばらして組み直してから蒸溜所に売られると説明しています。アイラ島の同社は、バッファロートレースで一度だけ使われた樽がコンテナに積まれ、約8週間で島に届くと書いています(2018年)。同社は2005年から2023年初めまでバーボン樽をバッファロートレースだけから仕入れ、主力のマキヤーベイもその樽で熟成した原酒が中心でした。2023年6月28日には、供給の問題からコロラド州のブレッケンリッジ(2008年創業)に仕入れ先を変えたと発表しています。日本の輸入元ウィスク・イーは、マキヤーベイ(46%・700ml)を「バーボンバレルで熟成した原酒をメインにヴァッティング」と説明しています。

ラフロイグの公式サイトは、10年を「ex-Bourbon barrels」で10年熟成と説明しています。2022年の限定品「Càirdeas 2022 Warehouse 1」(52.2%)は、バーボンを出したあと初めて原酒を詰めるメーカーズマークの樽(first-filled Maker's Mark Bourbon casks)で、第1熟成庫で熟成したとしています。

アイルランドの農業・食料・海洋省がまとめた技術文書(2014年10月)は、アイリッシュウイスキーをオークなどの木樽(700L以下)でアイルランド島で3年以上熟成すると定め、新しい樽のほか、マデイラ、シェリー、ポート、バーボンなど他の酒を入れた樽を使うと書いています。ヘヴンヒルは、アイリッシュも新樽を必要とせず、自社の樽に2度目、3度目の使い道を与えていると説明しています。

ラムとテキーラ

ヘヴンヒルは、西インド諸島の生産者がサトウキビの蒸溜酒を自社のウイスキー樽で寝かせていると説明しています。ジャマイカのアプルトンエステートは、若いラムを「Number One American White Oak」のバーボン樽で熟成すると説明し、熱帯の気候では涼しい土地の約3倍の速さで熟成が進むと見積もっています。マウントゲイは、ブラックバレルをアメリカンウイスキーの樽で熟成したあと、強く焦がしたバーボン樽で6か月仕上げるとしています。

メキシコの公式規格NOM-006-SCFI-2012は、レポサドを2か月以上、アネホを1年以上、エクストラアネホを3年以上、オーク材の容器で熟成させると定め、アネホとエクストラアネホの容器は600L以下としています。熟成を定めた6.4項に、新樽か使用済みかの指定はありません。エスポロンのアネホは、チャーのレベル2の新しいアメリカンオーク樽で10か月熟成したあと、ワイルドターキーのレベル4(アリゲーターチャー)の樽で2か月仕上げると説明しています。チャーの番号は焦がしの深さで、焦がさずに加熱するトーストとは別の処理です。ヘヴンヒルは、ルナズールのレポサドが自社の樽で2か月から1年、アネホが12か月以上熟成すると紹介しています。

ビールと米国内での再利用

ヘヴンヒルは、多くのクラフトビール醸造所が自社の樽でビールを熟成しているとし、例にシカゴのグースアイランドの「Bourbon County Brand Stout」を挙げています。グースアイランドによると、2026年版のオリジナルスタウトはバッファロートレース、ヘヴンヒル、フォアローゼズ、ワイルドターキーの空けたばかりの樽を合わせて使い、平均13か月熟成、度数は14.2%で、11月27日に発売されます。バーボン郡という地名そのものについてはバーボンの名前の由来で扱っています。

米国内でも使用済みの樽は使われます。ヘヴンヒルは、コーンウイスキーの「メロウコーン」を自社の使用済みの焦がしたオーク樽で熟成すると説明しています。コーンウイスキーの樽の決まりはコーンウイスキーとはにまとめています。ヘヴンヒルはほかに、テキサス州オースティンの木工職人が自社の樽板で一点ものの作品を作る例も挙げています。

買うときに見るところ

  • スコッチやラム、テキーラのラベルや公式説明にある「Bourbon Barrel」「ex-Bourbon」「Bourbon Cask」は、バーボンの熟成に使った樽を指します。この記事で、樽を出した蒸溜所の名前まで確かめられたのはラフロイグ(メーカーズマーク)、エスポロン(ワイルドターキー)、グースアイランド(4蒸溜所)、キルホーマン(バッファロートレース、2023年からブレッケンリッジ)です。
  • 同じ銘柄でも、樽の仕入れ先は変わることがあります。キルホーマンは2023年に変更を公表しました。
  • 「First Fill」「Fresh」「Refill」は、その樽に何回目に原酒を詰めたかを表す語です。ラフロイグは「first-filled Maker's Mark Bourbon casks」と書き、キルホーマンの創業者アンソニー・ウィルスは、樽をfreshとrefillで使ったあと売ると話しています(2018年)。
  • 「American Oak」とあるだけでは、使用済みのバーボン樽とはかぎりません。エスポロンのアネホの最初の10か月は新しいアメリカンオーク樽です。
  • 種別が「Bourbon」のウイスキーは、焦がした新しいオーク樽での貯蔵が条件です(バーボンとは)。使用済みの樽で熟成できるのは、コーンウイスキーやアメリカンシングルモルトなど別の区分です。

出典

読んだあとの一本

どれも国内で手に入る定番です。

家で試すなら

  • グラスグレンケアン グラスすぼまった口に香りがたまる形。ストレートはまずこれで。Amazonで探す ↗ 広告
  • 本バーボンの本禁酒法の時代を越えてきた蒸溜所の話は、読みものとしても面白い。Amazonで探す ↗ 広告
  • 氷丸氷メーカー丸い氷は表面積が小さいぶん溶けにくい。作るのに一晩かかるので前の日に。Amazonで探す ↗ 広告

※ Amazonの検索結果へのアフィリエイトリンクです。価格と在庫はリンク先でご確認ください。

よくある質問

バーボン樽はなぜ一度しか使わないのですか?
米国の連邦規則(27 CFR 5.143)が、バーボンを内側を焦がした新しいオーク樽で貯蔵することを求めているためです。一度使った樽は「新しい」樽ではなくなるので、次のバーボンには使えません。同じ規則でも、コーンウイスキーやアメリカンシングルモルトは使用済みの樽で熟成できます。
スコッチはバーボン樽で熟成しているのですか?
スコッチウイスキー規則2009が求めるのは700L以下のオーク樽でスコットランドで3年以上の熟成で、新樽である必要はありません。スコッチウイスキー協会はバーボン樽を以前から使われてきた樽の例に挙げています。ラフロイグは10年をex-Bourbon barrelsで熟成すると説明し、キルホーマンは2005年から2023年初めまでバッファロートレース、その後はブレッケンリッジから樽を仕入れていると公表しています。
使い終わったバーボン樽はテキーラにも使われますか?
使われています。メキシコの規格NOM-006-SCFI-2012は、アネホを600L以下のオーク材の容器で1年以上熟成すると定め、新樽か使用済みかは指定していません。エスポロンのアネホは新しいアメリカンオーク樽で10か月熟成したあと、ワイルドターキーの樽で2か月仕上げると説明し、ヘヴンヒルはルナズールが自社の樽を使っていると紹介しています。

ほかのガイド

ガイドをすべて見る →